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緑茶の成分と効用
緑茶の成分
各種茶葉の成分[%]
成分/茶種 | 煎茶 | 玉露 | 番茶 |
---|---|---|---|
カテキン(タンニン) | 13 | 10 | 11 |
カフェイン | 2.3 | 3.5 | 2 |
タンパク質アミノ酸 | 24 | 29.1 | 19.7 |
脂質 | 4.6 | 4.1 | 4.4 |
糖質 | 35.2 | 32.7 | 33.5 |
繊維 | 10.6 | 11.1 | 19.5 |
灰分 | 5.4 | 6.4 | 5.5 |
その他 | 4.9 | 3.1 | 4.4 |
各種茶のビタミン含量
ビタミン/茶種 | 煎茶 | 玉露 | 番茶 |
---|---|---|---|
A(IU) | 7,200 | 12,000 | 7,800 |
B1(mg) | 0.35 | 0.3 | 0.25 |
B2(m) | 1.4 | 1.16 | 1.4 |
ナイアシン | 4 | 6 | 5.4 |
C(mg) | 250 | 110 | 150 |
E(mg) | 65.4 | - | - |
カテキン(タンニン)
緑茶の渋味のもとになる物質で、緑茶の持つ薬理効果の中心となるものです。
カテキンには消化管に対してしゅうれん作用(引き締め、縮める作用)があるとされており、腸の活動を活発にします。
カテキンの代表的な働きとしては、成人病や老化を促す過酸化脂質の生成を抑え、血液中の過剰なコレステロールを減らし、血小板が凝集するのを抑制して血栓を予防します。また、抗菌、抗毒、抗ウィルス作用があり、細胞のガン化やガン細胞の増殖を抑え、血圧や血糖値の上昇を抑制します。タバコのニコチンを減らす作用も持っています。
発ガン抑制作用、抗腫瘍作用、突然変異抑制作用、抗酸化作用(老化制御作用)、血中コレステロール低下作用(動脈硬化抑制作用)、血小板凝集抑制作用 、血圧上昇抑制作用、血糖上昇抑制作用、LDL酸化防止 、食中毒予防、抗菌作用、抗ウイルス作用、虫歯予防、肝障害防止、痴呆防止、腸内フロラ改善・調整、抗アレルギー、抗炎症 、口臭予防(脱臭作用)など
カフェイン
緑茶の苦味成分の一つであるカフェインの働きとしては主に、疲労回復・覚醒効果・大脳刺激・強心作用・利尿作用などが挙げられます。大脳などの中枢神経への興奮作用が有り、精神活動を活発にし、判断力や思考力を増加させます。また、ストレスの解毒作用などもあります。
また、 カフェインは熱い湯で入れるほど抽出量が増えるという特徴があるので、頭をすっきりさせたいときはあつあつの濃いめに入れたお茶を飲みましょう。
中枢神経興奮(覚醒作用)、強心作用、利尿作用、抗がん効果増強、代謝促進、疲労回復
テアニン
テアニン(Theanin,またはL-theanin)はアミノ酸の一種で、緑茶の旨み成分の中心となるものです。テアニンは上品な旨み、甘味が有り、玉露、抹茶、雁ヶ音などに多く含まれています。緑茶がコーヒーや紅茶と違った特有の甘味を持つのはこのテアニンによります。
緑茶のまろやかな味は、テアニンとグルタミン酸などのアミノ酸などの旨みとタンニンの渋味がほどよく調和して緑茶のまろやかな味を作っています。それに、テアニンはお茶以外の高等植物からは検出されないお茶独特の成分です。緑茶を飲むと、気分が落ちついてきます。これは緑茶のうま味成分であるテアニンによるものといわれます。
テアニンは脳の情報伝達物質です。このテアニンは脳内物質に作用し、神経や精神活動にも働くとされています。テアニンを摂取した人はリラックスした状態にみられるアルファ波が多く出現し、その頻度は、飲まない場合の1.6倍以上で、テアニンの濃度が濃くなるほどアルファ波が頻繁にあらわれるという実験結果もあるということです。
緑茶のうま味成分(カフェインとの拮抗作用)、興奮抑制、血圧低下、脳・神経機能調節、神経成長因子生成刺激、リラックス効果
ビタミンC
抗酸化作用(カテキンとの相乗効果)、ストレス解消、風邪予防、抗壊血病、白内障予防、がん予防免疫能維持
ビタミンB2
口角炎予防、抗酸化G過酸化物質の生成抑制
ビタミンE
抗酸化、ニトロサミンの生成抑制、抗がん、抗糖尿、抗心疾患、白内障の予防免疫能増強、老化抑制
β-カロチン
抗酸化作用、抗ガン作用、プロビタミンA、(ビタミンA)の供給源抗酸化、抗がん、抗糖尿、抗心疾患、白内障の予防、免疫能増強
γ-アミノ酪酸(GABA)
血圧降下作用、抑制性神経伝達物質
サポニン(0.1%)
抗喘息、抗菌、血圧降下、抗アレルギー
フラボノイド
口臭予防、血管壁強化、抗酸化、LDL酸化防止、抗突然変異、抗がん、高脂血症抑制、抗心疾患、肝障害抑制、免疫活性化、抗炎症
サポニン(0.1%)
虫歯予防
緑茶の効用
緑茶を飲むときの注意点
- カテキンの効果も、乳製品と一緒に取るとタンパク質がカテキンと結合して、せっかくのカテキンの効果が働かなくなります。牛乳などを飲むのは、2時間以上おいてからにしましょう。
- お茶を飲んでから食事をとると、食欲もセーブできてダイエットには効果的です。しかし、濃い緑茶は胃を刺激するので避けましょう。食膳には、薄い目で。
- お茶に含まれているタンニンやカフェイン等は、薬の成分と化学反応を起こしやすいです。その結果 、薬が効きすぎたり、効かなかったりするので、薬はお水で飲んでください。
- お茶に含まれているカフェインは大脳を興奮させます。寝る前に緑茶を飲むと、大脳が興奮し、寝つきが悪くなります。
口臭予防
緑茶に含まれるカテキンは口臭予防に効果があるといわれています。
カテキンは口臭の原因である微生物の繁殖を抑制し、匂いの元を断ちます。それに、匂いの成分の吸着を抑える作用もあるそうです。ニンニク等の香りの強い食べ物を食べた後、口臭が気になる時にお試しください。
虫歯予防
緑茶は、カテキンの殺菌作用により、虫歯菌の繁殖を防ぐ効果や、緑茶に含まれるフッ素が、歯のエナメル質を守って虫歯に対する抵抗力をつける効果があるといわれています。
整腸作用
緑茶に含まれるカテキンには胃腸の働きを活発にし、腸内の悪玉菌を退治する整腸作用があるといわれています。その力はオリゴ糖やヨーグルトにも劣らぬ整腸作用で、免疫力の低下を防いでくれるそうです。
食中毒予防
緑茶カテキンの殺菌力はとても強く、普段飲むお茶の2分の1程度の薄い濃度のカテキンで、ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌、黄色ブドウ球菌、ウェルシュ菌、コレラ菌、ボツリヌス菌をやっつけてくれるそうです。それに、カテキンが持つ解毒作用は、コレラ毒素、百日咳毒素、腸炎ビブリオ耐熱性溶血毒、黄色ブドウ球菌の腸管毒、O-157のベロ毒素を解毒するそうです。さらに、最近、問題になっているO-157を1万個1ccの緑茶の中に入れたところ、5時間後O-157がゼロとなったという実験結果もあります。これほど強力な殺菌効果が緑茶にはあるようです。
また、おなかの中には善玉のビフィズス菌がいます。しかし、善玉ビフィズス菌の方がカテキンよりも強いので、善玉ビフィズス菌をやっつけることはなく、それどころかその増殖を促す効果があるそうです。
緑茶でリラックス
お茶を飲むと気持ちが落ちつきますよね。
緑茶に含まれるカフェインとテアニンがリラックス効果をもたらすといわれています。
カフェインの、血行を良くし、中枢神経に作用して疲労を回復させる効果と、テアニンの脳の神経情報物質に作用し、脳にドーパミンを分泌させ、α波を出させる効果が相まって癒しの効果、リラックス効果をもたらすそうです。
ガンの予防
ガンを抑制する効果があるとされる、カテキン、ビタミンA、C、E。
ガンはイニシエーション(正常な細胞のDNAが傷ついて変異する)とプロモーション(変異した細胞がガン化し分裂増殖する)という過程を経て発生するそうです。
ガンを防ぐには、この2つの工程を抑制すればいいとされており、カテキンにはイニシエーションを抑える働きや、プロモーション抑える効果がいろいろな実験で確認されているそうです。
また、抗酸化作用によるガン抑制効果があるとされるビタミンCやE、細胞の免疫力を高めることでガンの予防効果があるとされるビタミンA等のビタミン類も緑茶には多く含まれています。
からだは弱アルカリ性
健康なからだの血液は弱アルカリ性に保たれています。しかし、現代人の食生活は肉などの酸性食物を多くとりがちです。また、不規則な食生活や疲労などでからだが酸性になると、からだのバランスが崩れます。緑茶はからだの酸性化を防ぎ、バランスを整える効果があります。緑茶は、アルカリ性の嗜好品です。
二日酔い解消
緑茶は二日酔いにも効能があります。緑茶に含まれるカフェインが、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解します。またカフェインの利尿作用が体内のアルコールを早く体外に排出させます。さらにビタミンCにより、肝臓のアルコール分解機能が強化されるので、悪酔いの防止にもなります。
風邪の予防
カテキンは風邪の予防にも役立ちます。カテキンの持つ抗ウイルス作用によりインフルエンザなどのウイルスの増殖を防いでしまうのです。
何度か煎じた緑茶でうがいをすると、カテキンがのどの粘膜に潤いを与え、抵抗力を高めてくれます。
生活習慣病予防
カテキンは動脈硬化の予防にもなります。カテキンの抗酸化作用が血液をさらさらにし、悪玉コレステロールが酸化して血管に付着するのを防ぎます。カテキンは、他にも血糖値の上昇を抑えるなど、生活習慣病の予防に、たいへん有効な成分です。
お肌の老化防止
カテキンは、お肌の老化にも効果的。お肌を酸化させるのは活性酸素が原因。歳とともに、活性酸素を分解する力は弱くなります。それには、カテキンの持つ抗酸化力が威力を発揮。その威力は、老化防止に有効なビタミンEの20倍。緑茶は「お肌の老化」を防止する効果も有効です。
緑茶で美白
緑茶には美白効果もあります。緑茶にも多く含まれるビタミンC(レモンの約3~5倍の含有量)。Cはコラーゲンを体内で作り出すのに必要な栄養素です。コラーゲンを作り出すことで、シワ対策にもなります。通常ビタミンCは壊れやすいのですが、緑茶に含まれるビタミンCは、カテキンの抗酸化力に保護されて効果的に体内に取り込みます。また、ビタミンAは、皮膚や粘膜を健康に保ち、ニキビや吹き出ものの防止、乾燥などのお肌のケアに効果的です。
緑茶でダイエット
緑茶に含まれるカテキンには糖分・脂質の代謝を促進する働きがあり、また食前に緑茶を飲むとカテキンが胃に膜を作り、カロリーの吸収を防ぎます。
アレルギー予防
緑茶のカテキンやサポニンには、花粉症をはじめアレルギー反応を抑制する効果も確認されています。緑茶のカテキンやビタミン類、ミネラル類などが腸内の環境を整え、腸内の善玉菌を住みやすくして、免疫力を高めるためです。また、緑茶カテキンにヒスタミンの放出をおさえる作用があるそうです。
アレルギーとは … アレルゲン(花粉・ちりやホコリ、動物の毛などの吸入性のもの,魚肉・鶏卵・牛乳など食物性のものなど)が体内に進入すると、マクロファージが異物(アレルゲン)を認識、リンパ球に伝えて抗体を作ります。その異物が再び体内に進入すると抗体がヒスタミンなどの物質を放出し、これらの物質が神経や血管などを刺激して、さまざまなアレルギーの症状を引き起こします。