- 2024-10-24 (木) 6:00
- お役立ちコラム
茶道の世界では、お茶を点てることを「お点前」と呼びます。
ただお茶を点てるだけでなく、丁寧な所作と深い意味が込められた儀式です。
この記事では、茶道のお点前の基本的な流れを、具体的な手順と意味を交えて解説します。
茶道に興味があり、お点前の基本的な流れを知りたいと思っている方の参考になれば幸いです。
□お点前の基本的な流れとは?
お点前の基本的な流れは、大きく4つのステップに分けられます。1:道具を運び出す
お客様が席についたとき、道具はまだそろっていません。最初に一礼をし、お茶を点てるために必要な道具を裏から運び出します。
定位置に座り、道具を畳の上など決められた場所に置きます。
この運び出す所作は、まるで舞台の幕が上がっていくように、これから始まるお点前の始まりを告げるものです。
2:道具を清める
道具を清めることは、汚れを取り除くだけでなく、これから点てるお抹茶に対しての気持ちの表れです。ひとつひとつ丁寧に清めることで、お客様への感謝の気持ちや、最高の状態でお茶を点てたいという想いが伝わります。
お点前の道具には、茶碗、茶筅、茶杓、建水など、それぞれに役割があり、清める方法も異なります。
茶碗は、お湯で温めて汚れを落とし、茶筅は竹の繊維を傷つけないように優しく洗い、茶杓は専用の布で拭きます。
これらの所作一つひとつに、茶道の精神が込められています。
3:お茶を点てる
いよいよお茶を点てる工程です。茶筅を茶碗に立てて、お抹茶を点てます。
茶筅の動きは、ただお茶を混ぜるだけでなく、茶碗の中で美しい渦をつくり出す芸術です。
茶筅を動かす速さや角度によって、お抹茶の濃さや泡立ちが変化します。
茶道では、お茶を点てる技術だけでなく、お茶の風味や見た目を最大限に引き出す美意識も大切です。
4:お茶を差し上げる
お茶を点て終わったら、お客様に差し上げます。お客様に気持ちよくお茶を召し上がっていただくため、お茶碗の持ち方や差し出す角度にも気を配ります。
お茶碗の持ち方は、親指と人差し指で茶碗の縁を軽く持ち、他の指は茶碗の下に添えます。
差し出す角度は、お客様の正面から少し斜めに、お客様に気持ちよく受け取っていただけるように配慮します。
□お点前の種類
基本的なお点前の流れを理解した上で、お点前には様々な種類があることを紹介します。道具や状況、相手によって、お点前の手順や内容は変化します。
1:中国のお道具を使ったお点前
中国から伝わった茶道具を用いたお点前です。茶碗や茶筅、茶杓など、日本の茶道具とは異なる特徴があります。
中国のお道具を使ったお点前は、日本の茶道とはまた違った趣があります。
2:テーブルでのお点前
椅子に座って、テーブルの上でお茶を点てるお点前です。畳の上で正座をするのが難しい方でも、気軽に茶道を楽しめるのが魅力です。
テーブルでのお点前は、近年、茶道教室でも多く取り入れられています。
3:狭い部屋でのお点前
狭い部屋でも、お客様に気持ちよくお茶を召し上がっていただけるよう、工夫されたお点前です。道具の配置や動きの順番など、通常の茶道と異なる点があります。
狭い部屋での茶道は、限られた空間の中で、お客様への思いやりと創意工夫が感じられます。
お点前は、ただお茶を点てるだけでなく、お客様への心遣い、おもてなしの心を表現するものです。
茶道の精神を理解することで、日常生活の中でも、相手への感謝の気持ちや思いやりの心を育めるでしょう。
□まとめ
この記事では、茶道のお点前の基本的な流れと、様々な種類について解説しました。お点前は、ただお茶を点てるだけでなく、お客様への心遣い、茶道に対する深い敬意、そして、お茶を味わう喜びを分かち合う、総合的な表現芸術です。
茶道に興味がある方は、ぜひ実際に茶道教室に通ったり、お茶会に参加したりして、お点前の世界に触れてみてください。